トラブル対応方法
カテーテルの挿入困難
考えられるケース | 対応策 |
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尿道狭窄、前立腺肥大、尿道結石など | |
尿道口の乾き |
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カテーテルが挿入困難である場合は、偽尿道を作らないためにも無理にカテーテルを挿入せずに、医師に相談しましょう。
出血
どこに出血が認められたか、どのような血液であるかを確認します。
- 導尿後にカテーテル内やカテーテル先端に血液が付着
→カテーテルが尿道部分を刺激して出血したものと考えられる。
尿道口からの流血が続く場合は、偽尿道の可能性があるので専門医の受診が必要。 - カテーテルから排出された尿がすべて血尿
→膀胱または腎臓に悪性の疾患があることも考えられるので、専門医の受診が必要。
尿失禁
清潔間欠導尿を行っているにもかかわらず尿失禁がある場合は、膀胱の無抑制収縮や尿路感染、又は導尿の回数や時間設定に問題があることが考えられます。
考えられるケース | 対応策 |
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膀胱の無抑制収縮 |
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尿路感染 |
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導尿の回数や時間設定に問題がある |
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発熱
尿道、膀胱内の感染だけでは発熱しませんが、腎盂腎炎、精巣上体炎、急性前立腺炎となった場合には高熱となります。発熱時には抗菌薬の投与が必要です。特に急性腎盂腎炎に罹患した場合には十分な安静と点滴による抗菌薬投与が必要であり、場合によっては一時的なカテーテル留置も必要となります。
腎盂腎炎を予防するには、常に膀胱内を低圧にすることが重要で、そのためには十分な回数の導尿を実施して残尿なく完全に尿を排出することが必要です。膀胱内圧が上昇しない膀胱容量を排尿機能検査によって確認し、1回導尿量を設定することが望ましいです。
外陰部の痛み(女性)
女性の外陰部の疼痛には様々な原因が考えられます。
例えば、カテーテルの挿入にまだ不慣れであると、カテーテルで外陰部を損傷してしまい擦過傷などが生じることがあります。また、閉経後や高齢者の場合、陰唇を広げると痛みを生じることもあります。
頻繁に清浄綿で尿道口をふきすぎたり、シャワー付トイレや紙ナプキンの使用によって外陰部に皮膚障害が起こっていることもあります。清浄綿やシャワー付トイレは、帯下や生理による出血がある場合には必要ですが、閉経後など帯下がなく陰部が清潔な状態が保たれていれば必ずしも必要ではありません。
閉経後の膣萎縮や膣炎を合併している場合には、女性ホルモン剤の使用や性交渉用の潤滑剤の使用が効果的です。