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導尿回数の決め方

 

導尿回数は、どのように決めるのか?

 

正常な尿意が認められない神経因性膀胱による排尿障害に対して、清潔間欠導尿を導入する場合には、実施時間を設定し、1回導尿量が300ml程度になるよう計画的な導尿指導を行います。成人の場合、1日の正常尿量は1200〜1500mlとされます。1回導尿量を300mlとすると、1日4〜5回の導尿が必要になります。起床時間や就寝時間、学校や職場の休憩時間など、無理のない時間設定をすることが重要です。1日の排尿量は、水分摂取量や気温、運動量などによっても大きく変化します。例えば、友人と食事に出かけて日頃よりお茶やアルコールなどを多く摂取した場合は、導尿の設定時間になっていなくても食後に導尿を実施し、導尿回数を多くするなどの工夫が必要です。

膀胱機能障害はなく正常な尿意を認める場合で、前立腺肥大症などの閉塞性疾患によって排尿障害が生じている場合には、尿意に応じて自力で排尿した後に、残尿を排出する目的で間欠導尿を実施することがあります。このような場合は、綿密な導尿時間の設定は必要としません。自分の尿意に応じて、排尿後に導尿を行うようにします。しかし、膀胱過伸展を防止するために1回の排尿量(自力での排尿量+導尿量)が300ml程度となるようにします。

※ 膀胱容量や膀胱圧は、患者さんの症状により異なります。導尿回数や時間を決める場合は、医師と相談しましょう。

フローチャート

 

 

一時的な導尿と永久的な導尿:いつ、どのような場合に導尿を中止するのか?

 

清潔間欠導尿を行うことにより膀胱の定期的な伸展と収縮を促し、再び排尿機能を取り戻すことにつながる場合があります。この場合、自分で排尿できる量が増加し、導尿によって排出される残尿量が減少してきます。1回の残尿量(導尿量)が50ml以下の状態が数日間継続した場合には、導尿を中止することが可能です。ただし、自己判断による中止が、尿路感染症などの合併症につながる場合も考えられるため、中止を決定する場合には、必ず医師に相談することが必要です。

 

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